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共に考えよう 広島の農業

農業を知ることは、私たちの食そのものを知ることであり
農業を支援することは、私たちの命を守ること

地域農業の担い手

北広島ミニトマト生産組合
“ファーム旬彩”さんの挑戦!


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 “ファーム旬彩”とは北広島町川戸地区で総面積約3000坪に渡り敷設されたハウスにてミニトマトを栽培する任意組織。4戸の農家での共同事業であり、ミニトマトにかける各ご家族の思いを取材しました。



Q:農業との出会いは?

西田さん(夫)
父の実家が川戸で農業を営んでいて、小さい頃から農家の手伝いはしていましたので、いつか農業をしたいという思いはずっとありました。

中村さん(夫)
私は次男で就職していたが、本格的に農業をやろうと思い、田舎に戻り、20年前からメロン栽培にかかわりハウスの数を増やしていきました。

大石さん(夫)
実家は法人農業。幼少時よく行っていた母の実家が野菜の専業農家で、遊びに行くといつも働くおじいちゃん、おばあちゃんの姿を見ていた。
 実家の事情から後継者がいなくなり、帰るならば早い方が地元の交流がもてると思い、帰ることを決めました。

中矢さん(娘)
誘いを受け、関わり5年目になる。農業が楽しく大好き!この楽しさをたくさんの人に伝えたい。一緒に出来る人が増えるのが楽しみです。

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↑西田さんご一家


Q:奥さまのお気持ちは?

西田さん(妻)
私は非農家の出身。夫がいつか農業をやりたいと言っていたので夢の実現を応援したかった。食べていけるかという不安はありました。

中村さん(妻)
「百姓は大変じゃ、やっていけるんか~」と義母から言われましが、「農業でもやっていけるし子供もきちんと育てられる」と、胸を張って言えるようになりたい。

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↑大石さんご夫婦


Q:子どもたちについては?

中村さん(妻)
子どもたちにも農業が根づいて、お父さんの仕事を継ぐのが当たり前と思うようになったら嬉しい。「継ぎたい」と言って欲しい。

大石さん(妻)
子どもは2歳・1歳の姉妹で、子育てをしながら取り組んでいます。畑の土を使って遊んだり、収穫した物で遊んだりする姿を見て、恵まれていると思っています。この環境で子育てできるのは良い事だと思っています。

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↑中村さんご夫婦


Q:ズバリ!農業って大変?

中村さん(夫)
自然が相手のため、予測できない事が起こりうる。一生懸命に作って,あと一歩で収穫だというところで台風に見舞われたりします。そうなると、資本と手間をかけても収入がゼロになり、次には倍の手間がかかるということもあります。適正価格というものがあるが安すぎる。

西田さん(夫)
銭は欲しいが農業は儲かる産業ではありません。儲かって御殿!は考えていなくて、根本は子ども・家族が幸せ!と思えること。楽しく仕事をし、やりがいがあり満足しています。生活の喜びは、収入とは別物ではないでしょうか。

中村さん(妻)
“採算効率”を求めるのが農業?もっと豊かに暮らしたい。そういう生活が出来て本当の「農」なのだと思います。均一化したものを作ると農業ではないのでは?

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↑中矢さんご一家


Q:今後の展望は?

西田さん(夫)
研修生の受け入れも考えています。先駆者として成功させたい。

中村さん(妻)
生産者と消費者の考える事には多少のずれはあるが、消費者は美味しく安全な物が食べたい。生産者は、それを作り、届けたい。両者の思いは同じなんだと思った。

大石さん(夫)
地産地消の意味はどういうことなのか、直接消費者の意見を聞いて、よりよい方向へ向かえば良いなと思っています。声が消えないようにしていかなければ・・・。





ファーム旬彩、代表の西田さんから。

農業への思い、これからの展望・抱負。

 「農業」という仕事は、本当に農業が好きでなければできない職業だと思う。
以前ある会合で、就農暦10年の青年が『儲かる「農業」がしたい』と発言するのを聞いたことがある。
 しかし私は先ず、「楽しい農業」がしたい。自然が相手であり、日々、作物の育つ環境は違う。そこをいかにコントロールして,自分にとっての「芸術作品」である農産物を作り出すかが、農業の魅力では、ないだろうか?
 私たちのこれからの展望、抱負としては、まず、他産業並み所得の確保を目指す。これをクリアーしなければこの地域で私たちの後についてくる農業の担い手は現れないだろう。
「農業で食べていける」を実証する事が、これからの農業・後継者問題について、この地域に大きな影響を与えるだろう。
 しかし、農業は「金儲け」のためだけでは、決して成り立たない産業であり、自分なりの、農業に対する哲学が必要な職業であると思う。

ファーム旬彩 西田達樹





対談を終えて。~取材スタッフの感想~

ファーム旬彩”の仲間たちは「楽しい農業がしたい」と話されます。「農業」が収入の安定した職業でかつ楽しい仕事となるべく“証し”を残していただく事で、「農業」が若い世代の時代に合った職業として受け入れられ、定着していくことにつながると信じています。これからも期待し応援しています。(K)

幼い頃から農業に触れ、厳しさを感じておられたのでしょうが、それでも専業農家になることを決意された皆さんは相応の覚悟があったことと想像します。やはり根底にはご両親や農業への尊敬の念があるからなのでしょうね。また、そんな夫の夢に付き添う妻たち、妻として母としての強いたくましさを感じました。(I)

「農業へ参入するには覚悟が必要」「自分たちは恵まれている」と話される旬彩メンバーさん。こういう勇気ある発言に消費者である私たちは甘えて良いのか?と思いました。サラリーマンは自分の働きと賃金を天秤にかけるではないですか。生活を守ってくれる「最低賃金法」が有ります。でも農業者には自己責任と勇気と覚悟を要求している。こんなことでは「担い手」は増えないと思いました。農業者の生活を守る「仕組み」「適正価格」への認識が必要だと強く思いました。(S)

「自殺大国」とまで言われるほど、「働く」と「生きる」のバランスが取りにくい今の日本。「生活の喜びは、収入とは別」と言われる旬彩さんに、「物の豊かさ」から「心の豊かさ」へシフトする「これからの働き方」へのヒントがありそうです。
もちろん、基本的な生活が約束されての話ですけどね。(C)

2009.03.30 11:18 | 元気な農家さん大集合! |